Ciscoのスモールビジネス向けスイッチの紹介です。ポートが1Gbpsに対応したSGシリーズの製品です。その中でも、設定が不要なIT管理者いらずのアンマネージドスイッチに分類されるものを紹介しています。デスクトップに設置しやすい8ポートタイプの外観なども参考にしてもらえればと思います。
Cisco SG モデル
Cisco SG110D-08-JP は Cisco のスイッチであり Cisco SG モデル製品の1つです。Cisco SG モデルとは Cisco Start という中小企業向けに作られたネットワーク機器の中でもより小規模向けに提案されているエントリーモデルに該当するスイッチの製品シリーズです。
Cisco では同時にスモールビジネス製品としても紹介されていて、SOHO や個人事業者などの小規模オフィス向けに開発されています。現在では品質のより良い機器を求め一般家庭でもこのような小規模企業向けの機器を利用する方もいます。
Cisco SG モデルの LAN ポートは1Gbps の速度まで対応しています。100Mbpsまでを対応する下位の SF シリーズがありますが現在は接続する PC 側でも1Gbps をサポートしていることが一般的になっていますのでスイッチ側でも1Gbps まで対応することが必要になるでしょう。
Cisco スイッチ製品型番の見方
SG モデルとシリーズ、LAN ポートの数などは型番から把握することができるようになっています。
Cisco SGモデル製品の分類
SG モデルのスイッチはサポートする機能の違いによりさらに以下の3種類に分類されています。
1.アンマネージドスイッチ
特徴:設定の必要がない。すぐに利用できる。管理者は不要。
シリーズ:SG110 シリーズ
2.スマートスイッチ
特徴:LAN ポートの速度やデュプレックスなど基本的な設定が可能。
シリーズ:SG250 シリーズ
3.マネージドスイッチ
特徴:スタティックルーティングなど高機能なネットワーク機能を持つ。設定はある程度経験・知識が必要。
シリーズ:SG350 シリーズ
Cisco SG 110シリーズ
Cisco SG110D-08-JP は Cisco SG モデルの110 という番号の「シリーズ」でアンマネージドスイッチに該当します。アンマネージドは名前の通り専門の管理者が必要なくだれでも簡単に利用できることが特徴です。
Cisco製の機器と言えばネットワークエンジニアが難しい設定を行うことで使用できるものが大半ですが、このアンマネージド スイッチシリーズはソフトウェアのインストールや設定などは一切必要なく、電源を入れてLANケーブルを接続するだけで Cisco 製品の高度な機能と高い品質を導入することが可能です。
現在は SG110シリーズの上位モデルとして SG250 シリーズのスマートスイッチと SG350 シリーズのマネージドスイッチがあります。
「Cisco SG110 シリーズ」の主な機能
「Cisco SG110 シリーズ」のスイッチは管理者不要のアンマネージドスイッチのため設定自体ができません。
管理者の設定がなくてもネットワークの信頼性や品質を高めるための高度な機能がすべて自動で働きます。
以下はその主な機能です。
遅延対策
遅延にシビアな電話の音声や映像などのトラフィックを優先して処理してくれるQoS インテリジェンスという機能が付いています。この機能は自動で優先するべき必要なトラフィックを識別して処理します。
ループ検知
ネットワークは接続方法を間違うと流れるトラフィックが延々とループしてしまいそのトラフィックの処理のためネットワーク全体がダウンしてしまうことがあります。機器には自動でループ状態を検知するとどのポートでループを検出しているかをLEDの点滅で知らせてくれます。
ケーブル種類の自動検出
LAN ポートの設定は必要なく LAN ケーブルを接続するだけで自動的にケーブルタイプを判別して最適な速度で使用することができます。しかし、接続する機器側も自動設定である必要があります。特定の機器やサーバーなどの中には手動で設定する必要があるものもあります。その場合には SG110 シリーズではなくLAN ポートの設定が可能なスマートスイッチ以上のスイッチが必要です。
製品仕様紹介 SG110D-08-JP
LANポート
10Mbps/100Mbps/1000Mbps×8ポート
SG モデルの機器では1Gbps(1000Mbps) に対応しています。8ポートモデルでも同じく1Gbps に8ポート全て対応しています。
大きさ
幅16cm 高さ3cm 奥行10.3cm
デスクトップ上におけるコンパクトサイズなので机の上や足元など狭い場所にも置くことができます。また壁に取り付けることも可能でその場合は付属の取付ネジを使用して壁に設置します。
重さ
0.43 kg(メーカー記載)と片手の指先で簡単に持てるくらいです。前面金属製ですので市販のプラスチック製のネットワーク機器と比べると少しずっしりとした重量感と設置した際の安定感があります。
金属製は放熱性や衝撃耐性がプラスチック製よりも高いため品質の高い高価なネットワーク機器は金属製が一般的です。
音
SG110シリーズはどれもファンが付いていません。そのため、そばに置いても静かでほとんど音は気になりません。
電源
電源アダプタが付属しています。電源コードの長さは約140cm程度です。
机の上に設置して足元から電源を取ることも可能な長さです。
LED
電源が入るとPWR(POWER) LED が緑に点灯します。
・LAN ケーブルが正常に接続されると LAN ポートの「LINK/ACT」の左のLINK LED (白)が点灯し、活動中を示す右のACT LED(緑)が点滅しはじめます。また1Gbps で接続されると「GIGABIT LED」が緑に点灯します。
外観
外観はよく見ると従来のCisco製品とはだいぶ印象が変わって全面黒色となっています。前面パネルも黒一色のシックな感じで見える場所に置いたりしても違和感がないので、スタイリッシュなオフィスとも相性がよさそうです。
使用方法
設定できないので使用方法というほどの説明はありませんが、使用するまでに必要な手順は以下のようになります。
1.電源を入れる
電源コードを背面に挿し電源アダプタをコンセントに差し込みます。電源スイッチを入れ、長細い縦棒側(|)にスイッチをセットすると電源が入ります。
2.LAN ケーブルを接続する
LAN ケーブルを接続します。SG110 シリーズは速度やデュプレックスなど
設定方法
アンマネージドスイッチには設定はありません。
想定する利用環境
今回紹介した SG110D-08 はデスクトップスイッチで小型のスイッチなので置き場所にも困らずオフィスの机の上でもあまり邪魔にならずに良い感じです。
小さく金属製で放熱性も高いのである程度せまい場所にも設置できます。ファンの音もないので仕事中に近くにあっても気になりません。ポートは8ポートと少な目なのであらかじめ設置する機器の数と必要なポート数を検討しておくことが必要になります。
参考までに8ポートのスイッチであれば以下のようにあらかじめ想定しておくことが重要です。
・1~5ポートをPCやその他のエンド機器などに確保
・1ポートをインターネットルータなど上位のネットワーク機器との接続で確保
・2ポートを予備として確保
まとめ
Cisco製品の他の機器と比較してもスモールビジネス向けということでかなり一般でも手に入れやすい価格になっています。
あえて何も設定できないのは技術者の方は物足りなく感じるかもしれませんが、管理者が不在のオフィスなどでも設定の不安なくCisco製のネットワーク機器が利用できる安心感は大きいと思います。
現状のネットワーク環境についてより良い品質を求めている方やCisco製品をはじめて利用する方などまず利用してみるというハードルが低いのでそういった方にもおすすめです。
参考リンク
小規模オフィス向けネットワーク構築に必要な機器と選び方の基本
Cisco のコンパクトスイッチ Catalyst 2960G-8TC-L レビュー
Cisco L3スイッチ Catalyst 3750G-24T レビュー
メーカー製品説明サイト
Cisco 110 シリーズ アンマネージド スイッチ データ シート
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