Cisco DevNetでネットワークの最先端を学習していくシリーズ第1回

ネットワーク機器、操作・設定

Cisco DevNet でネットワークの最先端を学習していくシリーズ第1回

第1回 Cisco DevNetが解説するパネルディスカッションをご紹介

近年ネットワークにとって大きな変化があり、アプリケーションやソフトウェアによりネットワークを自動化することが求められています。Cisco が提供しているCisco DevNetプログラムでは最先端の技術やプログラミング、APIなどを学習できるコンテンツが用意されており、それらを活用しながら自動化についてお伝えしていければと思います。

Cisco DevNetとは

Cisco DevNet とは何のことか調べていたら、Cisco Japan Blog にてわかりやすく説明されていました。

その中の冒頭で以下のように説明されています。


最近、ネットワーク プログラマビリティや API 活用について、Tech blog や Tech Meet-up で語られることも多くなりました。移り変わりの早い技術トレンドの中で、新しい技術、プログラマビリティ、API、フレームワークなどを学習し、それを業務に活かすことができたら、エンジニアにとってこんな楽しいことはありません。
そんなエンジニアをサポートするプログラムが Cisco DevNet です。

引用元:Cisco DevNet とは -YOU ARE A DEVELOPER.-

なかにはご存知の方もいるかと思いますが、昨今のネットワークはプログラムすることにより、進化する現場の環境や要望にあわせて効率よく動作させることができるようです。

ただし、現在のネットワークエンジニアはシスコのIOSは扱えても、プログラミングは苦手だったり、経験のない方も多いかと思います。

そこで、このCisco DevNetはネットワークエンジニアが開発者としても成長するために、サポートをしてくれるプログラムを用意しており、最先端の技術に対応できるネットワークプログラマーを育成しようとしています。

このCisco DevNet ではオンライン上で、学習コンテンツやトレーニング用のラボ、オンラインセミナーなども用意されCisco DevNetのメンバー登録をすればログインして使用できます。

Cisco DevNet 公式ページ
https://developer.cisco.com/

Cisco DevNet - 公式ページ

Cisco DevNet 日本語公式ページ
https://www.cisco.com/c/m/ja_jp/developer.html

Cisco DevNet が解説するパネルディスカッション

Cisco DevNet の使い方については次回以降でご紹介したいと考えていますが、今回はCisco DevNet が開催した「開発者にとっての Wi-Fi6(※)とは」 と題したパネルディスカッションを1つご紹介したいと思います。

まずは、Cisco DevNet とはどんな人が携わっているか、どんなことやっているかなど雰囲気を知るための参考になればと思います。

参考元
【開発者にとっての Wi-Fi6 とは:Cisco DevNet が解説】
https://www.cisco.com/c/ja_jp/solutions/enterprise-networks/wired-for-wireless.html

※Wi-Fi6とは
Wi-Fi6は IEEE 802.11ax で規格化された無線LANの次世代規格の名称のことで単に 11ax とも呼ばれます。
今までのWiFi規格と比較し高速通信や、子機側の端末の消費電力を抑えることができる省エネ設計が特徴ですが、最も大きな特徴は複数の無線端末が同時に通信可能となる「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」という技術により、混雑時に遅延する問題を解決できることです。今後も勢いを増して増え続ける端末の増加に効果を期待できます。

モデレーター
Cisco DevNet プログラム 創始者/SVP/CTO のスージー氏(Susie Wee)

パネラー
Wireless社のCTO マット氏(Matt MacPherson) :エンタープライズネットワーク担当

Cisco Merakiのプロダクトマネージャー のトニー氏(Tony Carmichel) :APIと開発者プラットフォーム担当

Cisco DevNet エンジニアの アシュトシュ氏(Ashutosh Malegaon) :DeveNetにおける共同製作を担当

Cisco DevNet が開催した「開発者にとっての Wi-Fi6(※)とは」- ネットワーク 自動化
写真向かって右から順にスージー氏、マット氏、トニー氏、アシュトシュ氏

Wi-Fi6における技術的なメリットと開発者への影響について

マット氏は「市場の成長率を見ると2021年にはWi-Fi対応デバイスが5億台に達します。これは非常に大きな市場です。」としつつ、Wi-Fi6については単に速度が若干改善するだけの「次世代規格」ではなく根本的な飛躍についてはOFDMからOFDMAへの技術の進化が大きいと話しています。

この進化により通信の安定性が高まり医療や製造業などでの特定のビジネスニーズに大きく貢献すると予測しています。

また、省電力化については「接続と切断を迅速化すれば電波をより効率よく利用できます。帯域の利用効率が上がれば省電力化もできるわけです。これはOFDMAにMU-MIMOを加えた成果で上下リンクの両方に効果があります。バッテリー寿命の工場は大きなメリットです。特にIoTデバイスは電池駆動が多いためバッテリー寿命が非常に重要」だと話しています。

Wi-Fi6に関するDevNetの開発者への取り組みについて

アシュトシュ氏は「1つの取り組みは新しいDev Centerの立ち上げです。それ以外にも新しい学習ラボではWi-Fi6の基礎知識や利点についてトレーニングを提供しています。他にも上級者向けのトレーニングやWi-Fi6を体験できるサンドボックスも提供しています。」と学習できるコンテンツを紹介し、また、これらの提供はまだ様子見段階で、ARやVRなどの分野でも開発を後押しする取り組みを始めているということです。

MerakiにとってのWi-Fi6の利点は何?

トニー氏は開発者視点ではWi-Fi6の技術的躍進や省電力化はうれしいニュースと前置きしつつ「MerakiとしてはAPIへの取り組みを続けていきます。APIとして開放することでWi-Fi規格にではなくAPIの開発自体への注力を促します。またAPI以外にもDevOpsに重要な安定性や監視・管理機能にも取り組んでいます。アプリケーション開発者向けには開発をより簡単にする対策も進めています。」と話しています。

また開発に利用できるオープンソースプロジェクトの「Meraki Beat(http://cs.co//merakibeat)」ではデータを集約し統計や正常性などを把握したり、開発用のカスタムクエリにも対応していると話しています。
データだけでなく製品を統合管理するプラットフォームの「DNAC」ではネットワーク全体で分析を活用できるとのことです。

セキュリティ機能について

トニー氏は簡単に実装できるよう改善を続けていくとした上で「Wi-Fi6に併せて発売される Secure Connect ではAP/スイッチ間を簡単にセキュリティ保護できます。これにより開発者やインフラチームの負担を減らします。」と話しています。

開発者に向けてのメッセージ

各パネラーの方からこれからの開発者に向けて何をするべきかメッセージをお伝えしています。

アシュトシュ氏「Wi-Fi6 Dev Center(https://developer.cisco.com/wireless/) にアクセスしWi-Fi6について学んでください。
またサンドボックスでWi-Fi6を体験しましょう。他にも先のAPアプリケーションなどを試してヒントを得てください。APに組み込まれるIoTゲートウェイ機能では新しいエコシステムを実現できるためこちらもぜひ試してください。」

トニー氏「学習リソースに加えて商用アプリのエコシステムも今日から提供開始されます。それらのアプリケーションはEcosystem Exchangeで入手できます。また独自アプリの構築もぜひ検討してください。構築は本当に簡単です先ほどのアプリ(デモで見せたアプリ)のようにAPIを活用するだけで実際のニーズを解決できます。」

マット氏「インテントベースのネットワークやアーキテクチャについてぜひ学びましょう。今後のネットワークを大きく変えるからです。セグメント化やセキュリティ、ポリシー適用はDNACからすべて管理できます。DNACとAPIについて熟知すれば強力な武器になります。また先述したようにIoTゲートウェイがプログラム可能なためSDKを活用すれば新しい機能を作成してAPに追加できます。」

最後にDevNet のCTO スージー氏は以下のようにまとめています。

スージー氏「これはアプリ/インフラ開発者にとってエッジ処理を実現できる大きなチャンスですね。技術や製品にとっても重要ですが開発者にとっても大きな意味があります。新しい DevNet Center では必要な情報を得られます。他にもWi-Fi6の新しいトレーニングをぜひ受講し最新技術について学んでください。Wi-Fi6製品を試用して購入できるDevNetサンドボックスも提供しています。そしてDevNet Exchangeでは新たなアプリに既存コードを活用できます。またインテントベースのネットワーク向けには Dev Center から API を活用できます。」

最後に

この他にも最先端のインテントベースのネットワークについても話をされています。インテントベースのネットワークではネットワークの稼働状況をモニター・分析し、常に最適なネットワークを提供するために自動でセグメント化をおこなったり、ポリシーを適用することができます。

また、紹介した動画ではその他にも、実際にAP(アクセスポイント)をARの技術を使ってスマホをかざすことで画面に情報を表示させるデモなども見ることができます。

全体的にディスカッションでは聞きなれない単語もありまだ理解が難しいですが、提供されているコンテンツの活用方法など、今後もCisco DevNet を活用してネットワークプログラマーになるためにはどのような学習が必要なのか試しながら少しずつ紹介していきたいと思います。

参考リンク

内部リンク

CCNA(Cisco Certified Network Associate) 新試験の概要

外部リンク

merakibeat
https://developer.cisco.com/codeexchange/github/repo/CiscoDevNet/merakibeat/

Wireless Dev Center
https://developer.cisco.com/wireless/

Cisco DNA Center(DNAC)
https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/cloud-systems-management/dna-center/index.html

Cisco DNA(Digital Network Architecture)入門
https://www.cisco.com/c/dam/global/ja_jp/products/catalog/pdf/DNA_Guide.pdf


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