L2スイッチは一般家庭や企業のネットワークでも使用されているネットワーク機器の種類の1つです。PCなどの端末とスイッチのポート(接続口)を 有線のLANケーブルで接続して利用されます。ここでは、L2スイッチとはどのようなものか、概要や基本動作を解説しています。
L2スイッチ概要
L2スイッチとは、単にスイッチと呼ばれることもあります。OSI 参照モデルのLayer2 までを扱うことが可能なネットワーク機器です。
見た目は複数の LAN ケーブルを挿入するための LAN ポートが並んでおり、同じ機種でも LAN ポートが8、16、24ポートなどポート数の異なる数種類が存在する場合も多いです。
また一般的にはポートごとにLEDが付いており、ポートの接続状態や利用状況がわかるようになっています。見た目はどれも同じようなものですが、選ぶ際に最も重要な点はL2スイッチが対応する速度と搭載するポート数になります。
現在はL2スイッチが手に入りやすい値段になっているので一般家庭でもL2スイッチが一般的に利用されています。
L2スイッチの以前はハブが一般的でしたがハブは接続される機器を把握できないため、単純に入ってきたデータをすべてのポートへ出す単純な動作しかできませんでした。 L2スイッチでは、ポートごとに接続されている機器を把握しているため、通信を行う機器同士だけが効率よくデータを運ぶことが可能になっています。
L2スイッチの基本動作
ポートごとに接続されている機器をどのように認識しているかL2スイッチの基本となる動作を説明します。
L2スイッチでは、LANケーブルで接続されている機器のMACアドレスを記憶することで、どのポートの先にどのMACアドレスを持つ機器が接続されているかの対応表を持っています。
対応表を見ながら必要なポートにだけデータを送信すれば無駄な処理を省くことができます。
L2スイッチと似た動作の種類の機器としてハブもありますが、ハブはこの対応表をもっていないので受信したデータは受信ポート以外のすべてのポートへ転送する必要があります。
L2スイッチの追加機能
L2スイッチには基本動作のほかに各メーカーや機種によっていくつかの機能がついている場合があります。 主な追加機能については以下のようなものがあります。
- VLAN:Virtual(仮想)LAN。スイッチに複数のLANを作成し、ポートごとにLANを分けることができる技術。分けられたLAN間は通信ができない。
- トランクポート:複数のVLANに所属するポートのことで、複数のVLANのトラフィックをまとめて転送することができる。
- リンクアグリゲーション:隣り合うスイッチ間を複数本の接続を論理的にまとめる技術。これにより帯域幅が増えるだけでなくリンクの冗長性も確保できます。
- ループ防止:一度スイッチから送出したパケットが戻ってこられる経路がある構成をループ構成と呼びます。このループ構成では永久に処理が終わらないトラフィックでいっぱいになり一瞬でネットワーク全体がダウンしてしまいます。このループ構成を自動で検知し防止する機能です。
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