一般的なネットワーク機器の電気代はどれくらい?

ノウハウ

家庭やオフィスに設置してある一般的なWiFiルーターやスイッチなどのネットワーク機器は、冷蔵庫などの家電のように24時間稼働させている方も多いと思います。普段あまり気にしないネットワーク機器の電気代がどれくらいかかるのか参考に調べてみました。

24時間稼働させても大丈夫?

ネットワーク機器は常時稼働させておくことを前提で作られているため、使い終わるたびに電源をこまめに切る必要はありません。毎日のように使う環境ではわざわざ使う前に毎回電源を入れて使うのも面倒になりますし、環境によっては使用していない時間帯にネットワーク経由でバックアップをしていることもあり電源を常時稼働させておく必要があるかもしれません。

使いたいときにすぐにネットワークを利用できないと、せっかく用意したネットワークがもったいないので、多くの方は電源を入れっぱなしにして常時稼働させているかと思います。

ネットーワーク機器の電気代は安い!?

基本的なネットワーク機器はデータを転送するということに特化した専用の機器ですので、消費電力は高性能なPCやサーバーなどと比べて低く電気代も少なく済みます。

そのため、電気代をあまり気にしない方も多く、どのくらいになるのかあまり知られていないと思いますので、1ヵ月間の電気代を例に計算してみました。

電気代の計算方法

電気代は、以下の計算式で算出します。

1時間あたりの消費電力(kWh)x 使用時間 x 1kWh あたりの電気料金

1kWhあたりの電気料金は、お住いの地域やプランによって異なりますが、ここでは東京電力のプランを参考に標準的な電力料金単価として26.46円を使用して計算します。

1kWh = 26.46円

まずは身近な機器で電気料金の目安を知る

目安としてまずは一般的に使用する機器では、どれくらいかかるのかを計算してみます。

例1:消費電力30W のノートパソコンを8時間使用した場合。
※1000W=1kWh 計算式ではkWhにするために消費電力 W を1000で割っています。

30W ÷ 1000 x 8時間 x 26.46円 = 6.3504円

これを1ヵ月間(30日)使用すると、約190円になります。

例2:消費電力100W のデスクトップパソコンを8時間使用した場合。

100W ÷ 1000 x 8時間 x 26.46円 = 21.168‬円

これを1ヵ月間(30日)使用すると、約635円になります。

例3:消費電力200W の冷蔵庫を常時稼働(24時間)使用した場合。

200W ÷ 1000 x 24時間 x 26.46 = 127.008円

これを1ヵ月間(30日)使用すると、約3810円になります。

家電量販店で手に入る一般的な家庭向けWiFiルーターの消費電力

写真:バッファロー WSR-1166DHP4シリーズ
WSR-1166DHP4-BK

・IEEE802.11ac対応
・LANポート:1000Mbps×4
・INTERNETポート:1000Mbps×1

それでは、本題のネットワーク機器について、ざっくりですが、上のような特徴をもつWiFiルーターの消費電力をカタログスペックで見るとおおよそ10W前後です。

これを例えば24時間稼働させた場合の電気料金は以下のようになります。

1日あたりの電力使用量

10W ÷ 1000 x 24h x 26.46円(1kWhあたりの電気料金)= 6.3504‬円

1ヵ月(30日)当たりの電気料金

6.3504‬円 x 30日 = 190.512円

おおよそ1ヵ月当たりの電気料金は190円程度になる計算です。無線を使わない有線ルーターの場合は電力がもっと節約できるため、無線ルーターの半分以下になることが多いです。

WiFiルーターに加えてスイッチングハブもいっしょに利用している場合も多いと思います。一般家庭で利用するような Giga対応で8ポートタイプのスイッチングハブの場合は、5ワット前後ですので、1ヵ月当たりの電気料金は95円程度になります。

ネットワーク機器 1ヵ月(30日)当たりの電気料金
一般的なWiFiルーター(10W)約190円
ギガ対応8ポートスイッチ(5W)約95円
市販の一般向けネットワーク機器の1ヵ月の電気料金目安

企業オフィス向けネットワーク機器の消費電力

次は、一般向けよりも少し負荷の高いネットワーク機器を計算してみます。ネットワーク機器メーカーの最大手になるCisco社が中小企業のオフィス向けに販売しているスイッチの場合はどのくらいになるか計算してみます。
サンプルとしてこれまでの例にあわせてギガビットに対応した Cisco Catalyst 2960-Lシリーズを使用します。

参考:Cisco Catalyst 2960-L Series Switches Data Sheet

企業向けのネットワーク機器は、利用するさまざまなシステム環境にあわせた設定で使えるように高機能ソフトウェアとハードウェアを実装していますので、一般家庭向けのネットワーク機器より電力消費も高くなります。

消費電力はトラフィック量や使用するポート数により多少変化します。以下は8ポートと24ポートタイプの例です。
※接続機器へ電力を供給可能なPoEタイプは除く

例1:8ポートタイプのスイッチ 消費電力 約15W を常時稼働させた場合。

1ヵ月約286円

例2:24ポートタイプのスイッチ 消費電力 約20W を常時稼働させた場合。

1ヵ月約381円

まとめ

実際に計算された電気代を見て思ったよりも高いと思う方やそれほどではなかったと安心される方どちらもいらっしゃるかもしれません。

ネットワーク機器などの電気機器類は常に新商品として多機能、高品質な製品が登場しますが、それに合わせて消費電力も大きくなるとは限りません。むしろ消費電力は最新の省エネ設計により下がることも多いので、ネットワーク機器に限らず古くなってきた電気製品は見直してみるのも良いかもしれません。

※参考にした消費電力は、使用するメーカーの機器や機種、環境により大きくずれることがあります。また、電気料金もお住まいの地域や電気料金プランなどにより異なります。

参考リンク

ビジネス用ネットワーク機器の種類と家庭用との違い

小規模オフィス向けネットワーク構築に必要な機器と選び方の基本

未経験からネットワークエンジニアを目指す勉強方法


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