ドローンの自動操縦は、「GPS方式」と「トラッキング方式」の2種類に分けられます。
◆GPS方式
現在、ドローンの自動操縦といえばGPS(Global Positioning System)を使った仕組みが主流です。
軍事用・商用問わず幅広く用いられており、昔ながらの技術でありながら信頼度の高さが伺えます。
GPSでは、主に「ドローンの現在座標」と「目的地の座標」を測位し、飛行ルートの設定を行います。
現在の高性能なドローンでは、カメラの向きや高度まで設定できるようになっており、特殊な知識を持たないユーザーでも利用しやすくなっています。
このGPSを用いたドローンの自動操縦機能は、特に災害時に威力を発揮します。
人的コストを使わず、自動操縦を用いて迅速に災害現場に駆けつけ、現場のマッピングを行えるためです。
◆トラッキング方式
GPSは「周辺状況を認識できない」という欠点を抱えています。
衛星を利用した位置情報を元に飛行するため、建物や周辺の地形など、細かな情報を拾いきれないのです。
さらに、屋内など電波の届きにくい場所では、そもそもGPS機能を活用できません。
そこで近年商用ドローンに搭載され始めているのが、トラッキング(追尾)機能です。
たとえば、DJIの「Phantom 4」や「Mavic Pro」には、障害物を自動で回避する機能や、位置情報と超音波センサー・イメージセンサーを併用した姿勢制御システムなど、GPSだけに頼らないさまざまな機能が盛り込まれています。
GPSだけに頼らないドローンの自動操縦・自律飛行システムは、進化し続けています。 自律飛行の発達は、墜落の危険性をなくし、技量の差が出にくくなる点でおおいに期待されています。