スマイル通信 5月後半号

スマイル通信スタッフノート

スマイル通信

スマイル通信では、日常のほっこりするお話など、笑顔になれるようなお話をお届けします。

言い出せなかった「ひとこと」

ある日、朝の通期時間帯。
朝でも蒸し暑さを感じる季節になり、ネクタイにやや息苦しさを感じながら、
いつもの駅のホームで電車を待っていたときのことです。

ホームに着いた電車が停まり、ドアが開くと降りる人たちが出てきました。
その波が過ぎ、乗り込むための列が動き出したのですが、
なぜか自分の列だけ動きがないままでした。

私は列の二番目で待っていたので、すぐに乗り込めるはずです。
乗り込むためにやや焦る気持ちから、まだ降りていない人がいるのか、と思い前を見ると、
列の先頭、つまり自分の前に立っていたのは、白い杖を持ったおじいさんでした。

あたりの様子を伺い、じっと降りる人がいないか、待っている様子でした。

『あ、降りる人がいるか分からずに待っているのかもしれない』

そう思い、もう乗り込めることを伝えるために、声を掛けようとしましたが、
ふと迷いました。

いきなり声を掛けたら驚くのではないか。
どうしたら驚かせずに伝えられるのか、おじいさんへの伝え方が分からなかったのです。

白い杖の意味は分かっても、こんなときに手伝う方法がわかりませんでした。

私が動けないでいると、電車の中からおじいさんに話しかける声が聞こえました。

「降りる人がいないので、乗り込んで大丈夫ですよ」

私より先に声を掛けた人がいました。
電車に乗っていた学生服の男の子です。

「ありがとう、助かりました」
お礼を言うおじいさんに、男の子は、
「いいえ、僕の妹が杖を持っているので、よく知っていただけですよ」
笑顔でそう答え、そのままおじいさんを近くの空いた座席に案内していました。

おじいさんの後ろで待っていた私は、続いて電車に乗り込み、
後ろの人たちも後に続いて乗り込みました。

電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す電車の中で、
「あぁよかった」とほっとすると同時に、
私もあんな風に声を掛けられたらよかったと、後悔しました。

次はあの子のように迷わずに声を掛けようと心に決め、
胸のあたりにすぅと爽やかな風がとおるのを感じました。

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